クレヨン王国

作者の紹介

「クレヨン王国」シリーズは「すぐとなりにある身近な自然」を舞台に描かれたファンタジー童話です。
講談社青い鳥文庫創刊時より親子二代にわたって愛されています。
シリーズ累計部数は500万部を超え、東映アニメーション製作「夢のクレヨン王国」も放映されました。

作者の紹介

福永令三

福永 令三

1928年12月25日 愛知県名古屋市の商家に生まれる。
1945年 名古屋大空襲による三度の罹災を経験する。
1946年 父の病気療養のため、熱海に転地、以後熱海に住む。
1952年 早稲田大学国文科卒業。
1956年 第九回「オール讀物」新人杯受賞。当選作「赤い鴉」
1958年 光書房より「ライオン物語偉大なるジャロ」出版。全国図書館協会選定図書となる。
1963年 「12色のクレヨン」モービル児童文学賞受賞。後のクレヨン王国シリーズの原形となる。川端康成氏の強い推挙に自信を得る。
1964年 「クレヨン王国の12か月」で第五回講談社児童文学新人賞受賞。

1968年〜1988年 小学生の学習塾を開き、自然に親しむ行事にも力を入れる。地元紙や雑誌への連載など、執筆活動は続ける。

1980年 「クレヨン王国の12か月」講談社文庫に収録。新創刊された講談社青い鳥文庫にも収録。
1981年 「クレヨン王国のパトロール隊長」単行本で刊行。
1982年 青い鳥文庫より「クレヨン王国の花ウサギ」刊行。
以後シリーズ化が実現し、童話クレヨン王国シリーズとして46作、クレヨン王国エッセイ集5作、他に絵本も作られた。童話クレヨン王国シリーズは累計500万部に達する人気シリーズとなり、大手学習塾の教材にも使われている。

1997年〜1999年 クレヨン王国シリーズを原作にした東映アニメーション製作の「夢のクレヨン王国」がテレビ朝日系列で放映された。

2004年 日本児童文芸家協会 文化功労賞受賞。

2012年11月逝去

作者と熱海のつながり

クレヨン王国は、熱海という風土と、私の散歩癖との共同作業が、うみおとした作品群である。
私が熱海に六十年も住んでいなければ、数々の物語は、成熟しなかったであろう。
散歩癖は、うまれつきであった。昆虫少年で動物園好きで植物園、水族館も大好きだった。
その私が、敗戦後、熱海に移住し、少年時代とは一変した生物相にふれることになった。
自然が、私を作家に育てた面は大きい。

とりわけ、私は岩戸山の存在に感謝したい。この熱海地図の中央を占める山は、
七百サ三十四メートルの海抜をほこり、草花にも野鳥にも実に恵まれ、大自然の聖地の観がある。
ここでめぐりあえた動植物のゆたかさが、私の文章力をつくる根底を築いたと思う。

「クレヨン王国の赤いぼうし」は十国峠の東のすそにひろがる姫の沢公園が舞台で、ここは、わたしの日常の散歩圏です。

熱海で暮らしてほとんど五十年、春夏秋冬、いくど、わたしはこのあたりをさまよったことでしょう。
心を開放する休息の場所でもあれば、よいアイデアを得ようと努める仕事場でもありました。

ここからクレヨン王国はうまれましたし、ここが私という人間を育てたのです。
そんなわけで、この作品は、作者の自分がいま読んでみても、なつかしいような、ちょうど夕餉のけむりがただよっている わが家へたどりついて、ほっとしたような感慨をおぼえるのです。

一九九五年 早春

「クレヨン王国ロペとキャベツの物語」あとがきより

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